抵当権を実行する際に農地法が適用されるか

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抵当権を実行する際に農地法が適用されるか

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2024/01/12 抵当権を実行する際に農地法が適用されるか

農地の不動産強制競売手続について、農地法の適用や評価額の見極め方などに関する情報をお伝えします。

 

まず、農地法とは、農地の保全や適正な利用を図るために、農地の所有や転用に関する規制や手続を定めた法律です。農地法は、農業の振興や国土の保全という国民的な利益を守るために重要な法律ですので、その遵守は必須です。
次に、農地の不動産強制競売手続とは、抵当権を実行する場合に、裁判所が行う売却手続きのことです。抵当権者が債務者から債権の回収ができない場合に、債務者が所有する農地を裁判所に売却させることで、その代金で債権を回収することができます。
しかし、農地の不動産強制競売手続においては、農地法が適用されますので、注意が必要です。農地法では、農地の所有や転用には一定の条件や許可が必要とされています。例えば、農地を所有する場合には、農業経営能力や経営計画などを有することが求められますし、農地を転用する場合には、公共の利益や土地利用計画などを考慮した許可が必要です。

 

したがって、農地の不動産強制競売手続においても、買受人は農地法3条1項又は同法5条1項の許可を得ておかないと、そもそも所有権を取得することができません。また、裁判所も買受人が当該許可を証する書面を提出した後に売却を許可することになります。
さらに、土地の現況が雑種地等であっても、不動産登記簿の地目が田や畑であれば、農地法は適用されます。
これは、農地法で規制する農地に該当するか否かは、土地の現況によってだけでなく、登記地目によっても判断されるからです。これは元々農地として登記されていた土地を行政庁の承諾なく行う、違法な転用を認めないという立場からです。違法な転用については、原状回復命令等の行政処分の対象になる場合があります。

 

最後に、農地の評価額についてです。農地の評価額は、一般的には不動産鑑定士が行う不動産鑑定評価によって算出されますが、これはあくまで参考値です。実際の取引価格とは異なる場合があります。
そこで、より正確な評価額を把握するためには、農地の種類、面積、形状、立地条件、用途、収益性、市場動向など様々な要素によって決まる農地の特性を考慮しながら、当該農地の近隣の不動産業者の意見も参考にすることが必要です。
以上が、農地の不動産強制競売手続についての情報です。農地の不動産強制競売手続は、農地法の適用や評価額の見極め方などに関して、注意が必要な手続きです。農地の所有や転用に関する規制や手続を遵守し、適正な価格で取引することが大切です。

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