成年後見の申立ては慎重に！

今、認知症の方が急激に増えています。

厚生労働省の２０１５年１月の発表によると、日本の認知症患者数は２０１２年時点で約４６２万人、６５歳以上の高齢者の約７人に１人と推計されています。

・本人の意思が確認できないので、財産の処分ができない。

・本人が契約内容が理解できないので、施設入所や介護サービス利用の契約ができない。

そんな時に検討されるのが、成年後見制度の利用です。

ただ、注意するべきは、成年後見制度は本人のために財産を管理する制度であって、本人を含めた家族のために財産を活用する制度ではないという点です。

・このまま本人が死亡したとき、相続税がかかるので、相続税対策を行いたい。

・本人が持っている土地に孫が家を建てたい。

・家業で使用していた工場を取り壊して建て替えたい。

こんなことがほとんどの場合、できなくなります。

成年後見人は家族のためにはそうしたほうがいいだろうとは考えるのですが、家庭裁判所が本人の財産は本人のために使用するという考えであるため、成年後見人は家庭裁判所に従わざるをえません。（決して意地悪で成年後見人が行っているのではありません。）

そのため、成年後見申立てを行うときは、慎重に検討を進める必要があります。

当事務所の代表は、４０件以上の成年後見人への就任経験を持つ専門職です。

申立てを考えておられるときは、ぜひ一度ご相談ください。